⑦不登校生徒との感覚のギャップ
⑦不登校生徒との感覚のギャップ
ある生徒が言いました。
「最終目標は教室に入ること」。
ずいぶん昔の話、この仕事をし始めたころです。
僕は驚きました。
不登校になっているほとんどすべての生徒が小学校1年生の時は通っていました。
どこかの時点で行けなくなるのですが、どうしてなんでしょう。不思議です。
なぜ?という疑問はおいておいて、ここでは気持ちのギャップを考えてみます。
この生徒ももちろん小学校の時は元気に通っていました。
しかし、その時できていたことが、今では最終目標なんだということを、そうでない人たちはなかなか理解できません。
できていたのですから。
最終目標という限りは、その前に多くの小さな目標があり、そのためのステップがあるということなのでしょう。
それほど、教室に入るということが遠く、大変な努力の向こう側にあると感じていると考えられます。
学習面だけ取り上げると、
↑
テストを受ける
↑
学力を上げる
↑
教室に入る
↑
↑
↑
↑
↑
ステップ5
↑
ステップ4
↑
ステップ3
↑
ステップ2
↑
ステップ1
こんな感じでしょうか。
このほかには、人間関係のこと、からだのことなどいろいろな要素が含まれてきます。
中学校3年生になり、進学の話はするのですが、ピンと来ていないようすの生徒が時々います。
高校に進学することは、その最終目標よりももっと向こうの方にあって、遠すぎて見えない、つまり、考えられない、そんなふうに彼らは感じています。「今まだ教室に入れないのに」と。
もちろん、そうでなく積極的に進路のことを考え、今は行っていなくても高校からは環境も変わるから大丈夫だ、と考えている生徒もいます。最近はそういう人の方が多いですね。