愛知県名古屋市のフリースクール 不登校対応

⑩不登校だと高校には行けない?その3

⑩不登校だと高校には行けない?その3

(2)先生が「中学校へ来ないなら、高校は当然行けないだろう」と本当に思っている、という場合について考えてみます。

その1で、(A)合格できないから行けないのか、(B)合格しても通えないのか、どちらなのか分けるべき、と言いました。

まず、(A)からです。
中学校に通っていないから学力はないだろう、というのはたいていはその通りですね。
不登校中で、家でしっかり勉強している生徒はおそらく1割ないと思います。またその1割の中で、十分に学力を身に付けている生徒はとても少ないです。やはりなかなか一人で進めるのは難しいです。毎日勉強しているという生徒に会うと、すごいなあ、と思います。
たいていは、テレビゲームやYouTubeで、1日の時間を潰しています。

学習塾に通っているという生徒は時々います。しかし、9教科は当然無理だとして、塾で5教科すべてを教科書に沿ってやってくれるところはなかなかありません。

では、学力がないから合格できないのでしょうか?
高校受験の難易度は本当に幅広い違いがあります。また、非常にさまざまな方針や制度があります。
公立にも私立にも入りやすい全日制高校はあります。
定員割れをする公立高校もあります。

仮に、ある程度の難易度のある高校を目指す場合、当然ですが、知的能力、根気、意欲、環境などによってきますから、一概には言えません。
それと、タイミングにもよります。いつまで学校に通っていたのか、受験までに何ヵ月残っているか、です。
一方で時々思うんです。
毎日元気に学校に通っている生徒の中にも、ほとんど身に付いていない生徒もいます。be動詞の使い分けもマイナスの計算といった最初の基本のところも。この生徒の場合、本当に学校に行っていた方がいいのか、フリースクールに行った方がいいのではないか、などと考えてしまいます。これはまた大きなテーマになるので、別の機会にしたいと思います。

人によりますが、限られた期間でもある程度学力を伸ばすことは可能です。

1つ鍵を握っているのは、漢字の読みを含めた読解力でしょうね。
読解力がないと、どの教科も「理解」するだけでもかなりの時間がかかってしまいます。
反対に、やる気があって読解力さえあれば、ぐんぐん伸ばすことも可能です。
何しろ、目標がはっきりするので、力は入りやすくなります。

もし学力が非常に不足していても、通信制などには入れます。

不登校中でも、一人でまたは塾でよく学んでいる生徒、またはギフテッドのように非常に優秀な生徒もいます。高校から毎日通ってがんばろうとしている生徒には、やはり、大人はそのためのルートを作っておくべきです(今は以前に比べ少し多くなりました)。

次に(B)通えるかどうか、ですが、これはやってみないとわからないです。生徒自身にきいてもわからないです。
環境つまり学校が変わったら通えるという生徒は多いです。と言って、変わっても通えなくなる生徒も少なくないです。
ポイントは、通わなくなった理由で、それが高校でも続くのであればやはり通学は苦しいだろうと予測できます。
例えば、あの3人が中学校にいるから行けない、というのならば高校にその3人がいなければ通えます。1人の先生との関係悪化や強い個性のある中学校も同様です。
人の多いところは入っていけない、というのならば、高校にも行けないことになります。

最終的にはやってみないとわかりませんが、できれば3年生の11月までに、どちらなのか判断しておくことを強く勧めます。なぜ11月かというと、12月には志望校を決めなければいけないからです。
そして、新年度4月急にではなく、徐々に教室に適応できるようにしたいものです。
フリースクールに来る生徒は、学校で何かがあり、その後遺症みたいなものを持っていることが多いです。それは心の中の傷のように感じます。例えば、学校に関するもの(生徒の集団・制服・厳しい先生の声・テスト・校舎など)に対して、異常な拒否反応が出てしまう、コミュニケーションが非常に慎重になる、などです。
そんな傷を治して進学するのが理想的です。

フリースクールゆいまーる学園の最大の仕事の1つはこれだと言ってもいいです。


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