⑭不登校だと高校には行けない?その5
⑭不登校だと高校には行けない?その5
(4)「毎日通っているのに高校に行けない子もいるのだから、不登校の生徒は高校に行かせるべきではない。だから、高校に行けないと言う」
中学校の先生と話していると、こう感じることがあります。(感じるだけなので確かめたわけではありません。)
これ、不登校中の生徒や保護者さんにはピンと来ないのではないでしょうか。
まず、頭の中で生徒を並べていて、それに合わせて進路の希望をきいたりきかなかったりする、といった感覚、それはおそらくもともとは平等感なんだろうと思います。
学校が嫌いなのになんとかがんばって来ている生徒もいる。その一方で、嫌いだからと学校に来ない生徒もいる。全生徒を平等に扱うのならば、やはり来ている生徒の希望を少しでもききたい、となります。
その来ている生徒の中にはとてもまじめなんだけども、勉強についていけない生徒もいます。
彼らはとても公立高校を受験する学力はなく、不人気の私立高校や専修学校に行くことになったりします。
そういった生徒がいるのに、欠席している生徒が高校に行っていいんだろうか?それはいけないだろう、というふうに組み立てられます。
こんな考え方によれば、不登校だと高校には行かせないというのも、もっともな気持ちがしてきます。
どこが誤っているかというと、不登校の生徒は、「学校が嫌いなのになんとかがんばって通ってきている生徒」よりももっと苦しいから通えない、ということを見逃しています。「学校がもっと嫌い」ではなく。
本当に平等にするのなら、彼らに教育の機会をちゃんと与えること、中学校に通えなかったのならなおさら高校はできるだけふさわしいところに行って勉強も生活も充実できるようにすること、これらが優先となるのではないのでしょうか。
そもそも、高校が受けてもいい、と言っていて、生徒が受けたいと言っているのに、中学校の先生が受けてはいけないと言えるのか、個人の進路を中学校の先生が決めたり制限したりしても良いのか、という疑問が残ります。
一般入試は、学校の推薦による入試ではないのですから。
実際に、最終的に不登校だから高校受験できない、ということは今までありませんでした。でも、ゆいまーる学園が関わらなかったらどうなったんだろう?というケースは何度もありました。
タイトルにあるような学校の一種の秩序をゆいまーるは、乱すこともあったのかもしれません。
もしあったとしても、それは良いことであっても悪いことではなかったと考えています。
それもこれも現在では過去のものになりつつあります。